「ある日、Google AdSenseから『検索向け AdSense のアクセス制限機能 (RAF)』という、何やら難しそうなメールが届いて、不安になっていませんか?」
「専門用語ばかりで、結局何をすればいいのか分からない…」
もしあなたがそう感じているなら、ご安心ください。
この記事では、Google AdSenseの新しいルールAdSenseのRAF(検索向けアクセス制限機能)について、専門用語を一切使わずに、誰にでも分かるように徹底解説します。
結論から言うと、この変更はルールを誠実に守るサイト運営者が、損をしないための公平な仕組みです。
この記事を最後まで読めば、RAFの全体像から具体的な対策まで、すべてがクリアになります。
【結論】RAF(アクセス制限機能)とは?一言でいうと
RAFとは、一言でいうと「検索向け広告の便利なカスタマイズ機能が、優良なサイト運営者だけが使える『特典』になる制度」のことです。
これまでは、AdSenseを利用するほぼ全ての人が、広告のデザインや機能などを細かく設定できました。
しかし、2025年8月25日からは、Googleのポリシーをしっかり守っている「適格(Eligible)」なアカウントだけが、それらの機能を使えるようになります。
この変更の目的は、広告ネットワーク全体の品質を高めることです。
不適切なサイトの広告表示を制限し、真面目にサイトを運営している人がきちんと評価されるようにするための、ポジティブな変更と捉えることができます。
RAFで制限される「便利な機能」とは具体的に何?
では、その「特典」となる便利な機能とは何でしょうか?
主に、あなたのサイトに表示される「検索向け広告(AdSense for Search)」の、以下の機能が対象となります。
- ✅ 関連検索のキーワード候補をたくさん表示する (資格がないと5つまでに制限されます)
- ✅ 1つのページに複数の広告ユニットを設置する (資格がないと1つまでに制限されます)
- ✅ 広告のデザインをサイトに合わせて自由に変更する (文字の色、フォント、大きさ、背景色、アイコンなどを細かくカスタマイズできます)
- ✅ 詳細なレポート機能(500以上のレポートチャネル) (収益分析に欠かせない詳細なデータにアクセスできます)
- ✅ クリックトラッキング機能 (どの広告がクリックされたかをより正確に追跡できる新機能です)
これらの機能が使えなくなると、収益やサイトデザインに影響が出る可能性があります。
【最重要】違反で機能が使えなくなる「ストライク制度」を徹底解説
この「特典」が使えるかどうかは、新しく導入される「ストライク制度」で決まります。
これは、自動車免許の違反点数制度とそっくりなので、一緒に見ていきましょう。
交通違反をすると点数が引かれるように、AdSenseのポリシーに違反すると「ストライク」がアカウントに記録されます。
ストライクの仕組み
まず、「ポリシー違反5件」または「重大なポリシー違反1件」で『1ストライク』となります。このストライクが貯まると、アカウントの状態が以下のように変化します。
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【1回目ストライク】→ 状態:保護観察(90日間)
- いわばイエローカードの状態です。
- この段階では、まだRAFの特典機能は使えます。
- ただし、この90日間の「保護観察」期間中に再度違反をすると、次の段階に進んでしまいます。
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【2回目ストライク(過去2年以内)】→ 状態:制限付き(90日間)
- レッドカードで、一時的に試合から退場するイメージです。
- この90日間、RAFの特典機能はすべて利用停止になります。
- 広告のカスタマイズはできなくなり、レポートも制限されます。
-
【3回目ストライク(過去2年以内)】→ 状態:取り消し
- これは永久追放に相当します。
- RAFの特典機能へのアクセス権を永久に失います。この状態になると、元に戻すことはできません。
嬉しい救済措置
ご安心ください。良いニュースもあります。
最後の違反から2年間、新しい違反がなければ、それまでのストライクはすべてゼロにリセットされます。
免許の点数制度と同じで、真面目に運営していれば、またクリーンな状態に戻れるのです。
もしRAFの利用資格を失うと、広告はどうなる?【Before/After】
では、具体的に資格を失うと何が困るのでしょうか?
資格がある場合とない場合で、広告の表示や機能がどう変わるのか比較してみましょう。
✅ 資格がある場合(適格)
- 関連キーワードを10個など、たくさん表示できる。
- 自分のサイトデザインに合わせて、広告の文字色や背景を自由に変更できる。
- 収益改善のため、ページ内に複数の広告ユニットを戦略的に配置できる。
- 500以上の詳細なレポートで、どの広告が高い効果を上げているか分析できる。
❌ 資格がない場合(制限付き/取り消し)
- 関連キーワードは最大5つしか表示されない。
- 広告デザインはGoogleが定めた基本スタイルに強制的に戻され、サイトとの一体感がなくなる可能性がある。
- 1ページに1つの広告ユニットしか設置できない。
- レポートチャネルは500に制限され、過去の詳細データも削除される。
このように、サイトの収益性やデザイン性に直接的な影響が出る可能性があります。
【今すぐ行動!】2025年8月25日までにサイト運営者がやるべき3つのこと
「じゃあ、具体的に何をすればいいの?」 ご安心ください。
やるべきことはシンプルです。以下の3つのステップを、今すぐ実行しましょう。
1. AdSenseのポリシーセンターを確認する まずは、ご自身のAdSenseアカウントにログインし、左側のメニューから[アカウント] > [ポリシー センター]*をクリックしてください。
ここに何も表示されていなければ、現在アクティブな違反はありません。
もし何か表示されている場合は、それが対応すべき違反です。
2. 既存の違反があれば、すぐに対応・修正する もしポリシーセンターに違反が表示されていたら、その内容をよく読み、すぐサイトを修正してください。
2025年8月25日の開始日に違反が残っていると、その時点でストライクを受け、「保護観察」状態からスタートしてしまう可能性があります。
今のうちに必ず対応しておきましょう。
3. AdSenseのポリシーを再確認する この機会に、Google AdSenseのプログラムポリシー、特に「RAFの対象となるポリシー違反」について、改めて目を通しておくことを強くお勧めします。
知らず知らずのうちに違反していた、という事態を防ぐことが最も重要です。
よくある質問(FAQ)
Q. RAFのステータスはどこで確認できますか? A. 2025年8月25日のリリース以降、AdSenseの管理画面で確認できるようになる予定です。
Q. 過去の違反もカウントされますか? A. はい。2025年8月25日の時点で未解決のまま残っている違反は、新しいRAFステータスに影響を与える可能性があります。
Q. 違反警告に納得がいかない場合、異議申し立てはできますか? A. 「ストライク」そのものに異議申し立てはできません。しかし、ストライクの原因となった「ポリシー違反」に対しては、従来通りポリシーセンターから異議申し立てが可能です。その申し立てが認められ、違反が取り消されれば、関連するストライクも削除されます。
検索向けAdSenseのアクセス制限機能「RAF」とは?まとめ
最後に、この記事の要点をまとめます。
- RAFは、検索広告の便利な機能が優良サイト限定の「特典」になる新制度。
- 優良かどうかは、免許の点数のような「ストライク制度」で判断される。
- 今すぐやるべきは「ポリシーセンターの確認」と「違反があれば修正」すること。
- 開始日は2025年8月25日。
この変更は、一見すると厳しく感じるかもしれません。
しかし、これはGoogleが広告の品質を守り、私たちのような真面目なサイト運営者が正当に評価されるための重要な一歩です。
この機会にご自身のサイト運営を一度見直し、クリーンな状態で2025年8月25日を迎えましょう。
ルールを守っていれば、AdSenseをこれまで以上に有効活用できるはずです。