観光地ではない、世界の片隅にある「地理的に独特な場所」を訪れ、その魅力を唯一無二の語り口で伝える旅系YouTuber「どこにでも行くドスコイ」。
一度見たら忘れられない個性的なキャラクターと、おばちゃん風の親しみやすいトークで多くのファンを魅了しています。
しかし、そのユニークな活動の裏側には、公表している病気や障害との向き合い、紆余曲折のあった経歴など、知られざるストーリーがありました。
この記事では、「どこにでも行くドスコイ」とは一体何者なのか、その気になる年収や仕事、出身大学、本名や性別の真相、そして彼の人生に深く関わる病気(障害)について、詳しく掘り下げていきます。
マニアックな旅で人気!「どこにでも行くドスコイ」とは何者?
「どこにでも行くドスコイ」さんは、YouTubeを主戦場に活躍する旅系の動画クリエイターです。彼のチャンネルの最大の特徴は、いわゆる有名な観光地ではなく、「地理的に独特だが、誰も行かないような場所」へ積極的に足を運ぶというコンセプトにあります。
自らを「変態チャンネル」と称する通り、世界中のあまり知られていない街や集落に焦点を当て、独自の視点と深い洞察でその土地の魅力を切り取ります。
その独特のスタイルは多くの視聴者の心を掴み、2025年5月時点でメインチャンネルの登録者数は27.2万人を突破。
特に、2018年に公開された南海電鉄木津川駅のレポート動画は、再生回数196万回を超える大ヒットとなり、彼の知名度を飛躍的に高めるきっかけとなりました。
コロナ禍で海外渡航が制限されてからは、活動の軸足を国内の街歩きやファンとの交流を深める生配信にシフト。おばちゃんを彷彿とさせる親しみやすい語り口調と、時折見せる鋭い分析のギャップが魅力で、ファンからは「優しい人柄」や「他の誰も持っていない視点」が高く評価されています。
一方で、視聴者の興味を引くための少し過激なタイトルや突飛な行動が、一部で「気持ち悪い」といった否定的な反応を招くこともあるようですが、それも含めて彼の個性となっています。
気になる年収は?専業YouTuberとしての収入事情
専業YouTuberとして活動するドスコイさんの年収は、複数の分析サイトで300万円〜400万円程度と推定されています。
例えば、2024年7月時点のデータでは、月間の総再生回数が約190万回に達しており、YouTubeの広告単価(1再生あたり0.1円~0.3円と仮定)から計算すると、月収は約17万円~33万円、年収に換算すると約200万円~400万円となります。
別の情報源では、2025年3月時点で年収約345万円(月収約33万円)という、より具体的な推定値も出ています。彼の動画は長尺のものが94%を占め、ショート動画が少ないため、一本あたりの広告収入が安定しやすい傾向にあります。
特筆すべきは、彼が実家で暮らしている点です。生活費を極力抑えており、月に3万円をPayPayでご両親に渡していると公言しています。
これにより、収益の多くを次の旅の費用やYouTubeの運営資金に充てることができ、クオリティの高いコンテンツ制作を維持しています。この堅実な生活スタイルが、自由なクリエイター活動を力強く支えているのです。
「おばさん」は愛称?ドスコイさんの本当の性別
動画内での中性的な高めの声や、自ら「ドスコイおばさん」と名乗るユーモアから、性別について疑問を持つ視聴者も少なくありません。
しかし、どこにでも行くドスコイさんの性別は「男性」です。この点については、本人が動画やブログで「男です」「おばちゃんではないですよ」と明確に認めています。
過去には女性と交際した経験があることも語っており、自身がゲイではないとも発言しています。オーストラリアでのワーキングホリデー滞在中にゲイの人々から好意を寄せられやすかったというエピソードを披露する一方で、現在は恋愛や性欲そのものへの関心が薄れているとコメント。
一部では、既存の性のカテゴリに当てはまらない「クエスチョニング(Q)」に近い状態ではないかと分析されていますが、本人はこうした話題もユーモアを交えて軽やかに語り、ファンはその飾らない姿勢を魅力として受け入れています。
公表している病気と障害(ADHD)との向き合い方
ドスコイさんは、自身がADHD(注意欠陥・多動性障害)という発達障害を抱えていることを公にしています。
この事実に気づいたのは17歳の頃、ロッテリアでのアルバイトがきっかけでした。他の人が難なくこなす作業が驚くほどできず、強い違和感を覚えたことから病院を受診し、ADHDと診断されたそうです。
ADHDの特性である注意欠如は、仕事において深刻な影響を及ぼしました。本人曰く、一般の人が月に1回するようなミスを週に1〜2回の頻度で繰り返してしまい、会社員時代は毎日のように叱責されていたと語ります。
この経験から、組織に属して働くことに困難を感じ、兵庫県の企業に就職したものの、わずか8ヶ月で退職。その後、2019年にYouTube活動に専念する道を選びました。
しかし、彼はこの障害をハンデとして捉えるのではなく、自身の強みに変えています。ADHDの特性ともいわれるユニークな発想や衝動的な行動力は、彼の「誰も行かない場所へ行く」という動画スタイルと見事に合致しました。
YouTubeはまさに「天職」であり、障害による制約を乗り越え、自分らしく輝ける場所を見つけたのです。家族の深い理解とサポートのもと、その個性を遺憾なく発揮しています。
ベールに包まれた本名と「ドスコイ」の由来
多くのファンが気になるところですが、ドスコイさんの本名は現在まで一切公開されていません。プライバシーを重視し、身元が特定されることを避けるため、住んでいる都道府県も明らかにしていません。
「どこにでも行くドスコイ」という一度聞いたら忘れられないチャンネル名は、彼がオーストラリアでワーキングホリデーをしていた時代に、メールアドレスに相撲の掛け声である「ドスコイ」という単語を使ったことが由来だそうです。
自身のフットワークの軽さと、力強くユーモラスな響きを持つ「ドスコイ」を組み合わせたこの名前は、彼の活動スタイルを完璧に表現しており、ファンからも「力強さとユーモアがあって良い」と好評です。ミステリアスな部分もまた、彼の魅力の一つとなっています。
ルーツは関西!ドスコイさんの出身地と人柄
ドスコイさんの出身地は大阪府です。動画では基本的に標準語を話していますが、そのトークの端々には関西人らしいユーモアや鋭いツッコミのセンスが光ります。
幼少期は大阪市此花区酉島で過ごし、北港学園保育所に通っていたとのこと。その後、5歳の時に同じく関西の南部へ引っ越し、そこで小中学校時代を送ったと本人が明かしています。
現在も近畿地方(おそらく大阪)に住んでいるとされ、「梅田よりも難波の方が馴染み深い」と語るなど、生粋の関西人であることが伺えます。海外生活の経験もありながら、その根底に流れる関西の文化やノリが、彼の親しみやすいキャラクターを形成する大きな要素となっています。
会社員から専業YouTuberへ。ドスコイさんの仕事の遍歴
ドスコイさんの現在の仕事は、専業のYouTuberです。しかし、そこに至るまでにはいくつかの職歴がありました。
大学卒業後は兵庫県の企業に就職しましたが、前述のADHDの特性もあり、会社員生活に馴染めず8ヶ月で退職。その後は、週4日の副業(アルバイトと推測される)をしながらYouTube活動を続けていました。
2010年にチャンネルを開設し、地道に活動を続ける中で2018年の「木津川駅動画」で大ブレイク。チャンネルが軌道に乗ったことから、2019年12月に副業を辞め、YouTube一本で生きていくことを決断しました。
現在は動画制作のほか、ブログの運営や音声配信プラットフォーム「Stand.fm」でのラジオ配信も手掛けるなど、多岐にわたってその才能を発揮しています。
語学堪能のルーツはここに!意外な学歴と大学時代
ドスコイさんは、神奈川大学の外国語学部を卒業しています。しかし、その道のりはストレートではありませんでした。高校卒業後は一度、東京にある神田外語学院という語学専門学校に進学。その後、神奈川大学の3年次に編入するという形で大学卒業資格を取得しています。
フリーター期間もあったため、大学では周囲の同級生が年下ばかりで、なかなか友人ができず、一人でインターネットの世界に没頭していたと当時を振り返ります。しかし、この孤独な時間が、後の彼の独自の視点や深い洞察力を育んだのかもしれません。
専門学校と大学で培った語学力は本物で、動画では流暢な英語はもちろん、中国語や韓国語を披露することもあり、その能力を活かしたコンテンツも人気を博しています。紆余曲折を経ながらも学び続けた経験が、現在のグローバルな活動の礎となっているのです。