白鷹禄水苑の総合プロデューサー・辰馬朱満子さんに、施設の見どころや西宮の酒文化について聞きました。

白鷹禄水苑の総合プロデューサー・辰馬朱満子さん
西宮と日本酒の関わりを語る辰馬さん

日本酒を通じ、古き良き日本人の暮らしを体感する場に

白鷹禄水苑では、総合プロデューサーとして企画運営に携わっています。この禄水苑は、商品販売も行いますがアンテナショップではありません。日本酒にまつわる文化や情報を発信する文化施設という位置づけで、16年前に4代目の蔵元が私財を投じて作った施設です。2階にホールがあり、日本酒を日々の生活と結びつけながら学んだり楽しんでもらう講座に加え、能や文楽といった伝統芸能のイベントなども定期的に行っています。
日本酒の蔵元は、代々日本酒を醸しながら地域文化を応援する役割を担ってきた歴史があります。だからこそ禄水苑を日本酒や芸能の歴史・文化の伝承に役立てたいと思っています。西宮は人形浄瑠璃の源流とされる傀儡師発祥の地と言われていて、非常に伝統芸能と縁が深い地域ですしね。
同時に、古き良き西宮の歴史や文化を体感する場にもしたい。この建物は、100年以上前の古材を使って蔵元の住居を再現したものなんです。江戸時代からの生活用品も展示して、季節や歳時記とともにあった日本人の暮らしを見ていただきたいと思っていて、日本酒もそのひとつという位置づけです。
現在西宮に住まれている若い方々も、ぜひ白鷹禄水苑に足を運んでいただきたい。広い空間と四季折々に変化する庭などで、ゆったりと時間を過ごしてほしいですね。お酒が飲めない方でも大丈夫。ぜひお越しください(笑)
ゆったりとした時間の中、古き良き西宮を体感出来る白鷹禄水苑
ゆったりとした時間の中、古き良き西宮を体感出来る白鷹禄水苑

日本酒は季節感を楽しめるお酒

前述の通り、禄水苑には商品を販売するショップもあり、ここでは白鷹禄水苑でしか購入できない限定酒に力を入れています。中でも、特定の時期しか販売しない季節限定酒が9種類あり、これが人気です。 日本酒はあらゆる酒類の中で唯一季節感を楽しめるお酒。だから季節限定酒には、日本酒の味わいで季節を感じて欲しいという想いを込めています。2月の立春の頃の絞りたてのお酒は瑞々しさに溢れています。そこから低温殺菌して少し熟成し、夏は旨みを増しながらも瑞々しさが残るお酒を楽しんでいただく。秋はさらに熟成を重ねた旨みの強いお酒が誕生します。そして真冬には温めて楽しんでいただく。このように、日本酒は季節ごとの味わいを存分に楽しんでいただけるお酒であることを伝えていきたいんです。
季節ごとの味わいを楽しめる日本酒たち
季節ごとの味わいを楽しめる日本酒たち
日本酒は人の手が掛かる工程が多く、特に白鷹は生酛づくりと呼ばれる昔ながらの手間が掛かる製造法を守っています。麹菌や乳酸菌、酵母といった様々な微生物が上手に活動できるよう、そっと手を差しのべてあげるのが人の役目。昔の人々は、本当に繊細で微妙な加減を感覚と経験だけでコントロールし、経験のみによってその手法を完成させたんです。同じように作っても決して同じものができない。それが日本酒の素晴らしいところだと思います。
鷹禄水苑の総合プロデューサー・辰馬朱満子さん
「地域への愛着って、その地域を知ることで深まっていくもの」と語る辰馬さん

西宮の歴史や文化、伝統芸能を発信し、伝えたい

西宮の魅力は皆さんご存じの通り、一番は環境の素晴らしさだと思います。私は大学生時代の4年間だけ、西宮から離れて暮らしましたが、離れてみて改めて西宮の素晴らしさを実感することになりました。阪神淡路大震災で失われてしまった建物や施設もありますが、積み重ねられてきた歴史や文化、伝統、そして人々の想いは脈々と生き続けています。
私自身は西宮の歴史や文化、伝統芸能を発信し、語り継いでいきたい。なぜなら、西宮の街としての利便性も魅力の一つではありますが、同時に歴史文化に根ざした場所であることも、同じように西宮だけの魅力だと思うから。地域への愛着って、その地域を知ることで深まっていくものだと思います。だから若い皆さんも、ぜひ昔から続く歴史的な行事などに参加していただきたいですね。そこから西宮の新たな魅力を発見して感じていただき、西宮をもっと好きになっていただけたら嬉しいです。

白鷹禄水苑 基本情報
NISHINOMIYA COMMONS編集部
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