西宮市ゆかりの中高生へのインタビュー【第五弾】国際コンクール〈チェロ部門〉で優勝!北村 陽さん

県立芦屋国際中等1年生・北村 陽さん
県立芦屋国際中等1年生・北村 陽さん

国際コンクールで優勝!北村 陽さんにインタビュー!

世界の三大音楽コンクールのひとつとして名高いチャイコフスキー国際コンクール。その姉妹コンクール「若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール」第10回のチェロ部門で1位に輝いた北村陽さんは、西宮市在住で県立芦屋国際中等教育学校に通う中学1年生。のびやかに、晴れやかにチェロの音と戯れる北村さんに、その心の内を伺った。
北村 陽さん
4歳からチェロを習い始め、小学2年生でスーパーキッズ・オーケストラに最年少入団。
「第10回若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール」チェロ部門で優勝。

若手音楽家が世界中から集まるコンクールで経験したゾーン。

「今の自分が、世界でどれくらい通用するのか」。そんな思いで挑んだ「若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール」。対象は8才以上17才以下、音楽に本気で取り組む若手音楽家が世界中から集まるコンクールです。体が大きく音も大きい、海外の演奏家と競うコンクールに向けて特に練習したのは、いかに大きな音でいろんな音色を出せるようになれるか、ということ。演奏を楽しむことは本番までおあずけにして、直前は日々8時間ほど集中して練習を続け、カザフスタンでの本選に挑みました。
チャイコフスキー国際音楽コンクール
若い音楽家のためのチャイコフスキー国際音楽コンクール ファイナル
一次、二次はピアノ伴奏による審査だったのですが、ファイナリスト6名による最終審査は、オーケストラとの演奏。いろいろな所から音が聞こえてくるので、弾いていてとても気持ちが良かったです。今思えば、その時の僕はすごく集中していて、いわゆるゾーン状態だったんだと思います。お客さんがプログラムを落としたりしても、余計な音は聞こえない。チェロの音とオーケストラの音しか聞こえない状態。頭の中で鳴っている音を、手が勝手に弾いているような不思議な感覚でした。
チャイコフスキー国際コンクール
「第10回若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール」チェロ部門優勝

3才でファゴットの音が大好きになって。

僕が音楽をはじめたきっかけは、3才の時に観たディズニー映画の『ファンタジア2000』。劇中の「魔法使いの弟子」が大好きで、そのテーマ曲を吹いていたファゴットにすごく憧れて。東京のファゴット専門店まで足を運んだけど、子どもサイズがありませんでした。その後、あるファミリーコンサートでコントラバスのお兄さんが楽しそうに弾いている姿を観て、今度は「コントラバスをやりたい!」と思いました。でもコントラバスも3才で弾ける子どもサイズはなくて。そんな時、楽器の図鑑で見つけたのがチェロ。ファゴットと同じ音域で、コントラバスに似た形に興味を持ち、CDで音色を聞いて「絶対にやりたい!」という思いが強くなりました。
といっても3才の子どもが言うこと、「すぐ飽きるかもしれない」と両親も思ったみたいで、最初に手にしたのは母と一緒に作ったダンボールに描いたチェロ。そのダンボールチェロ遊びを半年以上続けても飽きる様子がない。そんな僕を見た両親が音楽教室を探してくれ、1/8サイズのチェロで習いはじめたのが4才7ヶ月でした。
ダンボールチェロ
ダンボールチェロ

年齢差は関係なく、音楽なら通じ合える。

小学2年生からの約2年間は、世界的指揮者の佐渡裕監督が率いる「スーパーキッズ・オーケストラ」に所属。オーディションの時、ものすごく緊張して足がガクガクしたこと、弾いているうちに楽しい気持ちが勝ってきたことを覚えています。「スーパーキッズ・オーケストラ」は小学生であろうと、高校生であろうと、演奏に関して区別はしません。小学2年生であってもひとりの演奏者として、意見を聞いてくれるし、質問すれば分かるまで説明してくれる。年齢差があっても音楽があれば通じあえることを、学びました。
北村 陽さん

いつか自分だけの音を持つチェリストに。

これまで演奏してきたホールの中で思い出深い場所といったら、やはり兵庫県立芸術文化センターです。大ホールはすごく響くし、客席に向かって音が飛んでいっている感覚がよくわかるから弾いていて楽しい。「スーパーキッズ・オーケストラ」時代から応援してくださっている方が「大きくなったね」などと声をかけてくださることも多く、成長を見守ってくださる方が西宮にはたくさんいてありがたいし、あったかい気持ちになります。小学校高学年あたりから体も大きくなり、出てくる音が芯のある音に変わってきました。13才の今はまだ成長期で手の大きさが変わって、正確な音程をとるのが大変だけど、もう少ししたら安定してくると思います。
将来は留学して、自分にしかない音を持つチェリストになりたい。そしてもっと大きくなったら、世界のトップバイオリニストの五嶋みどりさんがされているミュージック・シェアリングのような、音楽を通した国際交流をしたいです。
サントリーホール
サントリーホール 「こども定期演奏会」での演奏

おもしろそう!という興味が一番大切。

チェロを弾くこと以外で最近夢中になれるのが、紙飛行機作りの延長でやり始めた創作折紙。バラだと1時間半、鶴の背中にバラがあるものは1時間ほどかけて折っていきます。最初はひたすら折り目をつけて、最後にキューっとまとめて立体にしていくんですが、とても集中できておもしろい。折紙ひとつとっても遊びを超えた分野がある、人間が考えることはすごいなと思います。
創作折り紙
創作折り紙。バラと鶴
最近、いろんなことに興味を持っていたら、その関連で自分にあったものが見つかるんだな、ということを感じます。それは音楽でも、それ以外の趣味や勉強にも、共通していえること。ファゴットからチェロに辿り着いたように「おもしろそう!」という気持ちを大切にしていれば、熱中できること、挑戦したいことが見つかると思います。
創作折り紙
NISHINOMIYA COMMONS編集部
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